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肝細胞癌

肝細胞癌は、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎、肝硬変を母地として発生する悪性腫瘍です。特に我が国では慢性C型肝炎を原因とする発癌が全体の60%を占めています。近年、B型肝炎は核酸アナログ製剤の登場によりウイルス制御が可能になりました。また、C型肝炎は直接作用型抗ウイルス薬の登場によりウイルスの排除が可能となってきたため、ウイルス性肝炎、肝硬変を母地とする肝細胞癌は近年減少傾向です。一方、食生活の欧米化、飽食時代になって問題となっている非アルコール性脂肪性肝炎による発癌症例が増加してきております。また、アルコール性肝炎・肝硬変からの発癌も依然として一定割合存在します。

B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、肝硬変のいずれかが存在すれば肝癌の高危険群に属し、サーベイランスの対象となります。なかでもB型肝硬変、C型肝硬変患者は、超高危険群に属します。サーベイランスは、腹部超音波検査に腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-Ⅱ、AFP-L3分画)を組み合わせて行います。具体的には、超高危険群に対しては、3~4ヶ月に1回の、高危険群に対しては、6ヶ月に1回の腹部超音波検査と腫瘍マーカー測定を行います。高度肥満、肝臓の変形萎縮などにより超音波検査の信頼性が十分でないと考えられる場合、腫瘍マーカーの上昇を認められた場合は、適宜造影CT/MRI検査を考慮します。

肝細胞癌の治療法は、肝機能、腫瘍径、腫瘍個数、脈管浸潤の有無、肝外転移の有無を考慮して選択されます。肝予備能が良好で、腫瘍が限局している場合には手術療法(肝切除)が選択されます。切除困難な場合は、RFA(ラジオ波焼灼療法)、TACE(肝動脈化学塞栓療法)などの局所療法が選択されます。腫瘍量が多い場合(肝両葉多発など)や、脈管浸潤、遠隔転移症例には分子標的薬による化学療法が選択されます。

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